C型肝炎の早期発見の重要性

C型肝炎ウイルスの存在が証明されたのは1989年ですが、それ以前はC型肝炎ウイルス自体が不明でしたので、治療の際の輸血や覚醒剤とか麻薬の注射の際に使用する注射針を使いまわしていたりして、沢山の人達がC型肝炎に掛ったのではないかとみられています。

特に、1989年11月以前に医療機関などで治療の際に輸血を受けた人などが要注意です、ですから40歳以上の人は若い人に比べるとC型肝炎ウイルスに感染している確率は大変に高いと言えます、もし、自分がC型肝炎ウイルスに感染しているかどうか心配な人は、病院などで血液検査を受けてみる必要があります、この検査で陰性であれば心配はありません。

C型慢性肝炎の症状として体に現れるのは全身のだるさや食欲低下などがありますが、肝硬変にまで進むと黄疸、腹水、むくみと言った症状が見られます、しかし、C型慢性肝炎の場合は特徴として症状が軽いという事です、自覚症状がきっかけでC型慢性肝炎の発見の契機となる割合はわずか13%程度です。

C型肝炎ウィルスに感染した場合は、自然に治ると言う事はあまり期待できません、自然治癒率は1年間で0.5%程度といわれています、ですから、C型慢性肝炎は治療をしなければ、年間200人に一人しか治らないということです、また、C型慢性肝炎患者の人は定期的な検査や治療が必要となります。

C型慢性肝炎のインターフェロン治療は強い副作用を伴う場合もありますから、安易には出来ないという事ももあるようです、また治療のための費用も大変でかなりの高額が必要となります、8,000円〜80,000と高額で、保険の適用の範囲に気をつけないと、金銭的なネックになる事もありますから主治医の先生と良く相談相談することが大切です。

肝炎の種類とその症状

肝炎を引き起こすウイルスには三種類ありますが、そのウイルスが発見された順にA型B型C型と言った記号が付けられています、C型肝炎は三番目に発見されたウイルスによって肝臓の細胞が破壊され炎症が起きるためにC型肝炎と言われています。

では、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎の違いとはどのようなものなのでしょうか?

A型肝炎の場合は主に食べ物によって感染します、(養殖牡蠣などが上げられます)一時的に急性肝炎を引き起こしますが慢性化することはほとんどありません、そして、体の中に抗体ができてしまえば再度感染すると言う事はありません、ただし、100人に1人り位の確立で劇症肝炎になる場合もあります、劇症肝炎は重症の急性肝炎で非常に危険であり命にかかわる事もあります。

B型肝炎は血液を介して感染しますが、感染経路は出産の時の母親から子供への感染で垂直型と呼ばれています、そのほとんどが肝機能に異常のない「無症候性キャリア」として成長しますが、大人になってから慢性肝炎になる事があります、その確率は20%と言われています、しかし、現在ではそのような場合は乳幼児に対してワクチンが投与されますから心配はなくなりました。

C型肝炎はB型肝炎と同じで感染経路は血液ですが、B型ほど肝炎力は強くありません、しかし、ほとんどの場合(80%)慢性肝炎になります、またそこからの症状の進行パターンがだいたい決まっていますから、これに照らし合わせれば、感染時期がいつ頃だったのかが特定できます。

かつては医療従事者でもウィルス感染にたいしての知識があまりなく、注射針などもアルコール綿で拭くだけという簡単な消毒で何人もの患者に使い回しをしていました、肝炎ウィルスはアルコール綿で拭くだけでは死滅しません、最近では輸血用の血液は採血の時に検査をしますから、輸血から肝炎ウィルスが感染することは殆どありません。

C型肝炎と肝がんの関係

わが国で現在死亡する人は約100万人とも言われています、そしてそのうちの30%の人が癌で亡くなっています、ガンが出来る部位を見てみますと男性では、1位が肺がん、2位が胃がん、3位が肝臓がん、4位が大腸がんです、女性では1位が大腸がん、2位が胃がん、3位が肺がん、4位が肝臓がん、と肝臓癌での死亡が上位を占めています、人数的には男性で約2万人、女性で約1万人です。

肝がんの発症が何であるのかは原因が不明で約10%ですが、90%はウイルスが関係していると見られていて、C型肝炎が関係していると見られているのが70%以上とも言われてます、もしC型肝炎ウイルスに感染した事を早期発見していれば、C型肝炎から肝癌へと進む事を早い段階で防ぐことができるのではないでしょうか。

当然、その人の肝機能によっても癌が発症することは違いますが、慢性肝炎の場合ですと年率0.5%〜1.5%発症率です、これが肝硬変となりますと年率が3.0%と大きく癌になる確率が増えると言う事ですから、きわめて高い癌への進行と言えます、この数字自体はそれほど大きなものではないかもしれませんが、慢性肝炎になると一生その症状が続くことを考えた場合、例えば現在40歳の慢性肝炎になった人は、70歳になるまでに45%くらいの確率で肝ガンが発症すると言う事が言えます。

肝がんは高い確率で再発症する病気ですから、治療がうまくいって治ったとしても再発症する確率が年率15%程度はあるといわれています、つまりほぼ6年で100%再発するということですね、慢性肝炎の治療において最も重要とされる事は、この肝ガンへの進行をいかに食い止めるかという事です、そして万が一肝ガンが見つかった場合には早期治療が大変に重要な事です。


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